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ふたくちおんな(二口女) [futakuchionna]

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まゝ子をにくみて食物をあたえずして殺しければ、継母の子産まれしより首筋の上にも口ありて、食をくはんといふを髪のはし蛇となりて食物をあたへ、また何日もあたへずなどしてくるしめけるとなん。おそれつゝしむべきはまゝ母のそねみなり。 『繪本百物語』−桃山人夜話−
後妻さんが先妻さんの子を虐待し、餓死させてしまう。 その子の四十九日目にあたる日、夫の薪割りの斧が後妻さんに当り、後頭部にぱっくりと大きな傷ができた。
その傷は癒えることはなく、皮膚が唇に、頭蓋骨が歯に、盛り上がった肉が舌の様に変化し、ある時刻になるとうずき激しい痛みに襲われるようになる。
しかし、その口のような傷に食べ物を与えてやると痛みが和らいぐのだった。
やがて、その口のような傷はひそひそと話をするようになる。
「心違いで先妻の子を殺してしまった。悪い事をした」
と、これは奇病『人面瘡』を患った女の話のようだ。
有名な民話では、山姥が化けた妖怪となっている。

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